歯周病治療
歯周病とは?
歯周病とは、歯を支える歯周組織が歯周病菌に感染することで歯茎が腫れて出血したり、重症化すると歯周組織が破壊されて歯が抜けてしまうこともある病気です。
歯肉炎、歯周炎とも呼ばれています。
歯周病はなぜ怖いの?
現在は35歳〜59歳の約7割が歯周病と言われており、誰しもが気づかないうちに歯周病になっている可能性は高くなっています。今や日本国民の多くの人がかかっている歯周病ですが、具体的にどのような病気なのでしょうか?
歯周病の怖いところは、ズバリ以下のような点になります。
・歯を支えている周りの骨が溶けてしまう
・歯を失ってしまう
・さまざまな病気を引き起こしたり悪化させる原因になる
これらに加えてさらに注意しなければいけないのが、歯周病は痛みなどの自覚症状があまりないまま進行していく点です。気がついたら重症化しているケースも多く、同じお口の病気で代表的な虫歯に比べても非常に怖い病気だと言えるでしょう。
歯周病と全身の病気の関係性
歯周病は口の中だけでなく、全身の病気の発症や悪化の原因になると言われています。
歯周病の大きな特徴のひとつに、持続的に炎症を抱える「慢性炎症」があります。歯周病になると、歯周組織の腫れ・痛み・出血といった炎症が起こり、ひどくなると膿が発生することもありますが、これらの炎症は治療しないでいると24時間毎日続くことになります。
現在ではこの慢性炎症がさまざまな病気に関係していることが多くの研究でわかっており、代表的なものには以下のような病気があります。
・重度の歯周病により糖尿病が悪化
・心筋梗塞や脳梗塞の患者の多くは歯周病
・早産・低体重児出産を引き起こす可能性
・関節リマウチのリスクが高い
・誤嚥性肺炎の原因菌に歯周病菌も含まれる
歯周病はお口だけの問題ではなく、歯周病を治療することは全身の健康を維持する上でも非常に重要です。
歯周病によりアルツハイマー病が悪化
歯周病が認知症に関係するのは歯を失う面が大きいと言われてきましたが、アルツハイマー病に関しては歯周病菌が患者さんの脳に直接または間接的に影響を与えている可能性があると研究で明らかになってきています。
海外では、アルツハイマー病の患者さんに歯周病菌の病原因子を阻害する薬を投与する臨床実験も行われています。
がんの手術前にも歯周病治療が有効
歯周病治療などの口腔ケアにより、入院日数が減るというデータも出ています。
外科手術の前に口腔ケアをしておくと、口の中の菌が他の場所へ広がり合併症を引き起こす危険が低くなります。そのため、手術前やがん治療の前に口腔機能管理を行う医療機関が増えています。
この口腔機能管理の効果は高く、消化器外科、心臓血管外科、血液内科などで入院日数減っているというデータがあります。
歯周病は予防が大切
現在、大人が歯を失ってしまう原因の多くは歯周病です。今日の平均寿命は80歳までのびましたが、80歳になったときに残っている歯は平均4本と言われています。自分の歯で長く健康でいるには歯周病になってから治療するのではなく、なる前から予防することが大切です。
お口の健康を保つ基本は、ご自身による日々のセルフケアです。しかし、自分だけでは予防するのが難しいのが歯周病です。そこで私たちは、歯とお口の専門家としてあらゆる知識と技術でみなさまの健康を守るお手伝いをいたします。
お口はひとりひとり違います。まずは検査によって皆さまのお口の状態を確認させていただき、個々にあった予防プランをご提案いたします。
当院の歯周病予防プログラム
当院の歯周病予防は、まずレントゲンによって虫歯や歯肉、歯を支えている骨などをチェックし、歯と歯肉の隙間(ポケット)の出血などについて検査を行います。そしてこの結果をもとに、個々の患者さまに合った治療の流れをご説明いたします。
健康状態によって、1〜5回のご来院で以下のようなケアを行います。
TBC:歯のお手入れについて、一人ひとりのお口の環境にあったブラッシング方法や補助用具などの指導
歯石除去:歯にこびりついた歯石を、その方にあった方法で除去
PMTC:歯石除去を含む、専門家による機械を使った歯のクリーニング
トラブルを防ぐ定期検診
お手入れの効果を確認させていただくために検査を行い、結果によって定期的な検診やさらに徹底した治療へ治療計画を変更させていただく場合もあります。
定期検診の期間は患者さまのお口の状態に合わせて決定します。歯周病トラブルが起こる前のおおよそ2〜4ヶ月間隔で来院していただきます。